骸骨乗組員

土曜日は雨だったので、よく眠った。夜に母親が来る。母親は月1で織り物やら編み物やらの講習を東京に受けに来ていて、都合が合えば稀にうちに泊まりに来るんだけど、やっぱりこの日に来るということは意識下に「母の日」があってのことだったんだと思う。そういえば2、3年前にも母親はこの日にうちに泊まりに来たことがあったし。母親が来ると、決まってだらだらとテレビを見ることになるんだけど、この日の土曜プレミアムは「グリーンマイル」だった。中学生時代、朝の読書の時間をスティーヴン・キングで過ごした者としてはとても思い入れ深い映画なので、しばらくつけっぱなしにしたままにして、最近買った雑誌「真夜中」を読んだ。この雑誌は好きな作家、気になっていた作家の文章ばかり掲載されているので、とても贅沢な気分にさせられる。保坂和志の文章は小説なのかエッセイなのか気になるところだけど、もはやそんな問いは愚問なのかもしれない。
グリーンマイル」の合間に、キング原作×ダラボン監督の最新作「ミスト」の予告が流れていたので何となしに観ていたら、猛烈に原作を読みたくなってきたので、本棚から「骸骨乗組員」を取り出す。昔は「どうなんだろう?」と思っていたタイトルだけど、久々にお目にかかるとたまらないものがある。お目当ての「霧」を読み出したらメチャクチャ面白くて、昨日今日とずっと読みふけっていて、ブログに時間を割くのすらもったいなくなるほどだった。

考えるのに疲れた、というか面倒なときは、スティーヴン・キングの小説に限る。よく「ジェットコースターのような」っていう常套句があるけど、まさにそんな感じで、文章を読むのが全然苦にならないというか、文章を読んでいるようで読んでいないような高揚感が生まれる。それってどうなんだろう? と思いつつもページをめくるめくる…。最近はそういう趣の小説を読んでいなかったせいか、メチャクチャ面白いと同時にメチャクチャ驚きだった。これはちょっと映画も観てしまいそうだな。